- ホーム
- 革について
みなさんは「革」についてどれくらいご存じでしょうか?
ぜひこの機会に「革」について知って頂けると今ある革製品も、これから出会う革製品も見方が変わるかもしれませんよ。
- 革の歴史 -
およそ200万年前の遺跡から革の加工品が発見されており、
既に寒さや衝撃から身を守るために毛皮や革を活用していたそうです。
「鞣し(なめし)」技術により革は衣服や履物として身近なものになりました。
4,000年前の人々は革製のサンダルを履き、書き物の道具として革の巻物を用いていたことがわかっています。
日本では古来より、寝具や馬具、武具を中心に鹿革が用いられていたようですが、
江戸時代から牛や馬、明治時代から豚革が使われるようになりました。
日本の中でも、気候や文化、歴史的背景により革文化の特徴は異なっています。
- 皮と革 「鞣し」とは -
皮と革の違いご存じでしょうか?
皮とは、いわゆる動物の体から剥がしたそのままの状態のものを言います。
革は、皮を鞣したものを言います。
では、鞣しとは何でしょうか。
皮はそのままにしていると乾燥し硬化が進み、腐ってしまいます。
そうならないように処理することが鞣しです。
鞣すことで皮から革に変わるのです。
鞣しには大きく3つに分類できます。
・植物タンニン鞣し(古くからある製法。植物から採取したタンニンで時間をかけて鞣されます。)
・クロム鞣し(化学薬品を使って鞣す製法。鞣し時間が短く安価でできることが特徴)
・コンビネーション鞣し(クロム鞣しと植物タンニン鞣し両方を掛け合わせた製法)
atelier Hanaemiでは植物タンニン鞣しされた革を使用しています。
植物タンニン鞣しは、植物の樹皮などから採取できるタンニンを主成分にした鞣剤を使った時間と手間のかかる鞣し製法になります。
タンニン鞣しの特徴は、なんといっても魅力的なエイジング(経年変化)です。
- 革製品について知って欲しいこと -
動物にも個体差があるように皮を原料としている革にも均一ではありません。また、革はデリケートな性質を持っているため、使用方法や環境で様々な変化を生じます。
■革の表情(個性)をご紹介します。
・キズ・・・動物の体の傷が残ったキズ・トラ・・・虎のしまの様な首から方にかけてみられる皺のあと。
・血筋・・・血管の通っていたあと。
・シワ・・・部位によってシワが生じることがある。
・虫食いのあと・・・虫に刺されたり、食われたあと。
・染めムラ・・・革質によって染色の微妙な濃淡が生じます。
これらは動物が生きていた証。そして個性です!
これらの表情も含めて革を堪能して頂けれ幸いです。
■経年変化について
先述のとおり、タンニン鞣しの魅力は経年変化です。
経変変化によって、革の色が濃くなったり黄味や赤味を帯びたりしてきます。
黒やネイビーの濃い色は色の変化は少ないですが、艶が出てきます。
革のことが分かると、革製品の見方も変わってきませんか。
もともとの革の傷もまた個性ですし、使用していくうちに徐々に変化していくことも自然なこと。
いつの間にかできてしまった傷もポジティブにとらえられそうですよね。
- atelier Hanaemiで使用している革のご紹介 -
atelier Hanaemiでは現在5種類の革を使用しています。
■Alpha アルファ
イタリア・トスカーナ地方サンタクローチェで昔ながらのバケッタ製法で作られたItalpel社のシュリンクレザーです。(シュリンクレザーとは、革を伸縮させて表面上に“シボ”と呼ばれるシワを作るシュリンク加工を施した革のこと)しなやかで、しっとりとした手触りと風合いが特徴です。
使い込むと徐々に光沢を重ねていくとても魅力的な革です。
シュリンクレザーは傷が目立ちにくいというメリットがありますので、革の傷が気になる方にはおすすめの革になっています。
当店では主にバッグに使用しています。
■Tucson トゥクソン
イタリア・トスカーナ地方サンタクローチェで昔ながらのバケッタ製法で作られたItalpel社のスムースレザーです。(スムースレザーとは、表面が滑らかな革の総称)オイルをたっぷり含んでいるのでしっとりした手触りと使用していることで艶が増していくのが魅力です。
当店では主にバッグに使用しています。
■栃木レザー
栃木県にある老舗の製革業者です。そこで作られた革のなかで当店ではスムースレザーを使用しています。オイルを含む革なので使用していくと艶が増していきます。
適度な固さもあり当店では主に小物類に使用しています。
■Arizona アリゾナ
イタリア・トスカーナ州にあるBretagna社で製造された革です。天然のシボが特徴で、また豊富なカラーも魅力です(当店ではその中から厳選し11色を扱っています)
しなやかでやや柔らかさもある革なので当店では主に小物類に使用しています。
■Bulgano ブルガノ
イタリアCONCERIA800社のオイルレザーです。通常のオイルレザーより多めのオイルを含んでいるため重量感のあるしっとりした仕上がりの革です。
私的には経年変化がやや強く出るように感じています。
現在当店ではシステム手帳に使用しています。
どの革も高級感のある上質な革です。
この革の良さが十分に感じられるような商品にしておりますので、
お手元に届いた商品の革をまずはじっくり観察してみて下さい。